胆膵

  •  私たち、大阪医科大学消化器内科・胆膵グループは樋口教授を筆頭に17名で構成されています。数年前よりも若い先生が増え、ここ数年超音波内視鏡検査(EUS)を中心に検査数は顕著に増加しています(図1)。膵臓癌・胆道癌は、診断が難しく発見時には進行癌であることが多い予後不良な癌種の一つです。しかし、中には良性あるいは根治可能な腫瘍も存在するため、その鑑別診断を行うことは極めて重要です。
  • 胆膵
  •  胆膵グループでは、超音波内視鏡(図2)を主軸とした診断・治療体系を構築しています。従来では、胆汁や膵液を内視鏡を用いて採取する方法(内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査;ERCP)を中心に診断を行っていましたが、その診断能は決して満足行くものではなく、合併症である膵炎も問題となります。一方、EUSは膵腫瘍あるいは胆道腫瘍に極めて近接した消化管内部から観察可能であることから、胆膵診断において最も精密な検査法として位置付けられています。当グループでは、早期にEUSを行うことで病変の早期発見に努めています。また、病変が存在した場合は、超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)を行い、病理組織を採取することで確実な診断を行っています(図3)。症例数に関しても極めて豊富で、検査には、十分な経験を積んだ医師が施行いたします。
  • 胆膵
  •  また膵臓癌や胆道癌では、胆管を閉塞することで黄疸がしばしば生じます(閉塞性黄疸)。通常であれば、ERCP下に胆管にステントを留置して治療します。しかし、術後腸管(胃癌で以前に摘出術を受けたことのある患者さま等)や、癌により、十二指腸が閉塞している場合にはこの手法では黄疸を治すことは困難です。従来では、皮膚の上から針で胆管を穿刺して胆汁を体外に排出する (経皮経肝胆管ドレナージ術;PTCD)を行いますが、チューブが体外に出ることで患者さんの生活の質を損ね、入院期間も比較的長期に渡ることが欠点です。当グループでは、新しい閉塞性黄疸の治療として、超音波内視鏡下胆管ドレナージ術(EUS-BD)を積極的に行っております(図4)。この手法では、体外にチューブが出ることもなく、患者さんの生活の質が保たれます。当グループでは、日本でもトップクラスであり、術者は200例以上のEUS-BD経験数を誇ります。この手法は、急性胆嚢炎や、膵仮性嚢胞といったドレナージ法にも応用できます。さらに新しい経口胆道内視鏡を用いることで、ERCP下により確実な診断あるいは、巨大な総胆管結石に対しても積極的に治療を行っています。
  •  このように常に新しい試みにも挑戦しており、学会発表(図5)や英語論文数(図6)も増加傾向にあります。
胆膵

増田大介  講師
井元章   出向中
小倉健   特任准教授
植野紗緒里 助教(准)
佐野達志  出向中
天野美緒  大学院生(出向中)
奥田篤   大学院生(出向中)
今西みゆき 大学院生(出向中)
都木航   出向中
神山理恵子 大学院生
西岡伸   大学院生
宮野亮   大学院生
山田忠浩  大学院生
山田真規  大学院生
上嶋一也  出向中
山本嘉太郎 出向中
松野潤   出向中

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